進撃の巨人は作品として進撃できたのか?巨人になれたのか?
記事の詳細
このページの目次
はじめに
概要
進撃の巨人をあまり評価していない意見をチラホラ見かける。特にちょっと前にはてなブックマーク経由で見かけた進撃の巨人に対する批判的意見は何とも納得せざる負えない内容のものだった。最初にハッキリさせておくと、私は進撃の巨人をそこまで評価していない。しかし、娯楽作品としては十分評価しているし、楽しんで見させてもらっていると思う。
この「評価していない」というのは、世間で盛り上がりを見せている程の作品だとは思っていない、という事だ。
「何も考えずに暇潰しに見る程度のアニメ」として評価を下すとなると、かなり上の方に分類されるアニメだ。それは2013年春~夏にかけてその他のアニメが不作だという事も大きく影響しているが、仮にそれなりに豊作のクールだとしても、豊作の作品の中に進撃の巨人は名を連ねていたと思う。
印象に残っている評価
私がたまたま見かけたその記事(たまたま見かけたと言ってもホッテントリだったが)の評価で印象に残っているのは、進撃の巨人をホラー映画を見ているような気分になる、と揶揄していた部分にある。これには非常に賛同が出来る。
基本的には巨人は人類からすると圧倒的強者であり、リヴァイやミカサがいくら強いとはいえ、この上下関係が覆る事はない。
巨人に襲撃されて、逃げる人類。調査兵団や憲兵団ならまだ太刀打ちが出来るが、それでも向かっていくモブキャラはあっさり殺されてしまう。
一般人なら尚更である。死ぬシーンのために登場するキャラクターが山程いる。
また、巨人が人間を殺すだけではなく、食い殺すところにホラー映画的な属性が含まれていると私は考えている。食う事は、ある種醜い事でもある。
ましてや人間を食うなど悍ましい以外の何でもない。
エヴァンゲリオンが使徒を食う姿にグロさを感じる人がいただろう。魔法少女まどか☆マギカでキュウべぇがソウルジェムを食するところを見て、気持ち悪いと感じる人がいただろう。
そういう事なのだ。
これはホラー映画に近いのではないだろうか。
私が期待していた事
主人公設定
原作でもアニメでもかなり昔の話になってしまうが、主人公が巨人化する設定は進撃の巨人の虚無感や絶望感の絶妙なバランスの設定を壊してしまった。主人公補正として考えれば、仕方がないのかもしれないが、その後の展開もあまりにお粗末である。
これはHUNTER×HUNTERで言うところのゴンさんであり、ドラゴンボールで言うところのスーパーサイヤ人だ。
一番近いのはNARUTOの主人公の九尾化かもしれない。九尾化する事により理性を失い自我を保つ事が出来ない。
また、NARUTOの九尾化は里の兵器であり頼みの綱でもある。こういった部分は進撃の巨人の巨人化に通ずるものがあるのかもしれない。
しかしながら、少年漫画として考えれば主人公が変身して強くなるのは、王道の要素であり、こういった要素を加えでもしない限りは、いつまで経ってもホラー映画のままで終わってしまうのもまた一方では考えられる。
壁の設定・外の世界の設定
初期の設定では壁は絶対的存在として描かれている。人類は長きに渡って守ってきたのが壁だからだ。壁を神と崇める邪教徒さえいる。進撃の巨人では壁の外の世界についてはほんの少ししか判明していない設定となっている。
「世界がどう広がっているのか、どうなっているのかわからない」
進撃の巨人の作品としての設定は満点だ。これで人の目につき、賞も受賞した。
しかし、最近の進撃の巨人を見ていると、私達が期待していた程、壁や外の世界の設定は驚く程のものは用意されていないようだ。
私達はその設定にカタルシスを得ようとしていた。
「これはとてつもない作品になる」
そういう風に期待していた。壁や外の世界の設定が俗に言う伏線と言えるかはわからないが、それでも初期設定に負けないような展開を期待していた人も少なくないはずだ。
人間関係がゴニョゴニョしている
そう、ここまでを踏まえて、今行われているような小規模の人間関係の描写にはあまり私は興味がない。人類最強が何だか、組織同士の対立だとか、そんなものは他の作品でお腹がいっぱいだ。別に進撃の巨人じゃなくても、人間関係に重点を置いた作品は腐るほど溢れている。極端な事を言ってしまえば、人は食われていけばいい。調査兵団はあくまでも調査をする兵団であって、巨人殲滅の精鋭でなくてもいい。
主人公が巨人化出来るなら尚更だ。
アニメを見終わって
さて、そろそろ結論を出そうと思うのだが、冒頭でも述べた通り私はこの作品が好きである。何回も見返したいアニメではないが、時間を持て余している時にはもってこいだ。期待をしていた内容の作品ではない事も事実としてある。私達はもっと大きいものを期待していた。それは、仮に興業的に成功しなくても(現在は大成功を収めているが)これまでにない先鋭的な作品になる予感がしていた。
残念ながらそうはなりそうにない。特にアニメ化されてから、この流れはより顕著である。大衆アニメだ。
しかし、この作者には何か魅力を感じてしまう。まだ若いし荒削りな部分もあるかもしれないが、それでも彼がここで終わるはずがないと思ってしまう。
作者の諫山創は1986年生まれの27歳だ。私と一つしか年も違わない。
設定を活かすも殺すも作者次第。当初程の期待値はないまでも、それでもまだ少し期待している私がいる。
進撃の巨人は進撃出来るのか。巨人になれるのか。
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