今日は週刊少年ジャンプでHUNTER×HUNTERの連載（？）を持つ、漫画家富樫義博さんの記事です。
私はHUNTER×HUNTERが好きで富樫先生のファンなのですが、休載も多い事からアンチが多いのもまた事実。そんな富樫先生を掘り下げて、語っていきたいと思います。

富樫義博という漫画家

概要

1966年4月27日生まれの山形県新庄市出身。
日本の漫画家の中でも知名度はピカ一で、2ちゃんねるなどでは「富樫（とがし）と呼び捨てて呼ばれて親しまれている。

1986年に「とんだハッピーバースディプレゼント」でデビュー。

主な作品

多作という程でもないが、長い間第一線で活躍しているだけあり、有名で人気な作品が多い。

妻・武内直子について

富樫義博の妻、武内直子も同じ漫画家である。この武内直子氏、ただの漫画家ではなく、あの”美少女戦士セーラームーン”の作者なのだ。
HUNTER×HUNTERの執筆をたまに手伝っている（？）という噂がある。

話題になる理由

この富樫義博先生が何かと話題になる理由は、冒頭で述べた通り休載が多い事にある。
そして、その休載を少年漫画雑誌の最高峰である「週刊少年ジャンプ」でやってのけてしまう事だ。普通だったらクビになってしまうはずだが、富樫先生は編集側から実質休載を認められているような状況である。

ちなみに、富樫が休載すると集英社にものすごい数のクレームや問い合わせの電話が殺到するらしい。

富樫義博の魅力

作風

ポピュラーな作品にはバトルものが多いが、少年漫画にありがちな王道な展開ではなく、その斜め上あたりへ物語を運ぶ。
また、人間同士の心理描写に長けており、敵であるはずのキャラクターにも読者を感情移入させるなど、勧善懲悪ではないところでバトル漫画を描く。
バトル漫画だがダラダラと何週にも渡って戦い続けるわけではなく、戦っている描写そのものは短いのも特徴だ。

また、「カイジ」や「アカギ」の作者である福本 伸行のように、オリジナルゲームのルールの考案にも目を見張るものがある。

読者の視点

冨樫という漫画家のすごいところは、冨樫の良さを一番理解しているのは自分だという錯覚に読者が陥ってしまう事が挙げられる。

また、普通の少年漫画とは一味違う、と色んな人間を唸らせてしまうのが冨樫の漫画だが、実はジャンプの…というか少年漫画の正統な系譜を辿っている。

富樫義博はハイブリッドである

幽☆遊☆白書は元々1話完結型の学園モノの漫画だったはずが、途中からバトル漫画へとシフトチェンジした。
当時連載していたドラゴンボールのヒットの影響を受けての事だろう。暗黒武術会も、バトル漫画家と言えばトーナメント！という、天下一武道会やキン肉マンの流れを汲むものだった。

幽☆遊☆白書の暗黒武術会はチーム戦だった事から、ドラゴンボールの天下一武道会よりも、キン肉マンの方が近いかもしれない。
基本的には1対1なのだが、味方同士で協力しながら闘っていくのは、最後に悟空が無双して片付ける漫画に比べると、ファシズムを感じる。
そしてキン肉マン程の暑苦しさも押し付けがましさもなく、でも軽いわけでもない世界がそこにある。
キン肉マンの友情ファシズムを取り込んで、それをドラゴンボールと並んでも引けを取らないクオリティに仕上げたのだ。

これは冨樫のハイブリッド性を現していると思う。
そう、冨樫は取り込むのが上手い。
オリジナルを超えていく。もしくは超えなくても、違うものに変えてしまったりする。

このハイブリッド性はハンタでより顕著に現れる。
この時代からは、男性性を彷彿とさせる筋肉バトルというよりは、ジョジョに影響を受けたような能力系バトルが主流になり、当然のようにハンタでも念という形で登場する。

能力バトルでは何かしらの設定を加えてしまった以上は、それを活かすべきだと思うし、その場で活かせなかったとしても、変な矛盾が生じてしまい後の展開を汚してしまうのな避けるべきである。仮にそうなるのであれば、そこには上も下もなくて、最後にカメハメ波か元気玉を放てば終わるというテイストと何も変わりがない。

ONE PIECEやナルトも能力バトルの遺伝子が含まれているが、その設定を活かし切れていない。

ジョジョを超えたというのは恐れ多いし、スタンドとはまた違う路線に行ってはいるが、冨樫は能力バトルを最高レベルで描き切っている。
念能力の全身である幽☆遊☆白書の仙水編も好評だったし、綿密な設定をさせるのは、冨樫に向いている。

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