プラモデル製作は頭に良い！？

インスピレーション

2015/06/29

記事の詳細

このページの目次

1 概要
2 研究実証データ
3 まとめ

概要

スマホが普及し、今や小学生すら所持している時代。
TVゲームを持っているのは当たり前で、最近の子供はプラモデルを組まなくなったと言われている。

先日、フィギュア・プラモデルメーカーの「コトブキヤ」のサイトを見ているとふと気になる記事を見つけた。

それは、「プラキット作りは頭に良い!! ‐脳科学的研究データにより実証‐」というタイトルの青いバナーで表示されており、中々に興味深い内容だったので、今回はその内容を紹介する。

「第51回全日本模型ホビーショー」のコトブキヤブースにて発表されたこの研究データは、東海大学高雄元晴准教授とコトブキヤによる共同研究のようだ。

かつて、80～90年台では多くの子供達がプラモデルを製作しており、これほどまでに熱中させる要因とは何か？を探るのが研究の目的だ。

プラモデル製作時における「深い集中力」を発揮している状態の脳波を記録し、解析した結果、「Fmθ脳波」が数時間にわたり強く出現すること発見。Fmθ脳波が出ていると、人は精神的心地良さを感じるという。

これらの研究結果を受け、本プロジェクトでは脳機能の活性化や学校教育現場に教材としてのプラキットの優位性の研究プロジェクトをスタートした。

「プラキット作りは頭に良い!! ‐脳科学的研究データにより実証‐」研究成果発表

研究実証データ

初心者用キットと百マス計算との比較

リンク先では、初心者用キット製作時と上級者用キットを製作している時の脳波を記録したグラフが掲載されている。

初心者用キット製作時は、Fmθ脳波の出現率が「百マス計算」時と比較すると前頭葉の働き方に違いが見えるという。

Fmθ脳波の出現率は百マス計算の方がやや高いものの、プラモデル製作時の方が没頭している時間が長いようだ。

上級者用キット製作時

次に被験者2名を対象に上級者用キット製作時に発生するFmθ脳波の測定結果が掲載されている。

グラフでは、キットの完成まで少なくとも4時間30分以上もの間に渡ってFmθ脳波が出現したようだ。如何に長時間に渡って集中していたが分かるだろう。

コトブキヤの上級者用キットはパーツ数が多く、パチ組み（そのまま組み上げること）でも4時間以上は平気で掛かる。塗装やちょっとした処理をするだけで、完成までの時間は更に掛かる。

考察

長時間集中して作り続けることが出来るプラキモデルは、精神的に心地良い脳波を長い間出し続けているため、脳に良いということがこの研究で解ったようだ。

深い没頭は頭をリフレッシュする効果もあり、プラモデル製作時には同様の効果が見込める。そして、完成した時の達成感がプラモデルの楽しさではないか？と考察をまとめている。

まとめ

筆者は子供の頃からプラモデル、特にガンプラが好きで今もプラモデルを組むことがある。

フロム・ソフトウェアのロボットゲーム「アーマード・コアシリーズ」をプレイするようになってからは、「コトブキヤ」のプラモデルにも手を出すようになり、アニメ「ガールズ＆パンツァー」を見てからは、戦車のプラモデルを組むようになった。

普段は不器用と言われる筆者でも、この研究に出てきた「Fmθ脳波」のお陰なのか、余程細かいパーツでなければ大抵のプラモデルは完成させている。

“メーカーが簡単に組めるように設計している”というのもあるだろうが…。

実際、この研究結果にもあるように、プラモデル製作に没頭するあまり、気が付いたら3時間、4時間経過していたというのはよくあることだ。だからこそ、完成した時の達成感も感慨深い。

遊びの中で集中力を鍛えるというのは、子供にとっても良いことなのではないだろうか？

夏休みの自由研究で、「集中力の測定」と称してプラモデル製作に耽るもの良いかもしれない。