概要

1月30日の経営方針説明会では、主にスマートデバイス事業とWii Uの今後の展望が発表された。

なぜ、ここまでWii Uが売れていないのか？それは経営方針説明会で岩田社長が発表した通り、新コントローラーGame Padの特徴がコンシューマに伝わっていないのが原因だ。

過去の任天堂ハードで考えてみよう。

SFCのコントローラー

SFCのコントローラーは、従来のゲーム機に比べると格段にボタン数が増えた。

今でこそ当然のようにボタンの多いコントローラーでゲームをプレイしているが、当時としては画期的だった。

オペレーションは複雑にはなるが、その分ゲームの幅が広がった事をも意味する。
まさしくスーパーなファミリーコンピュータだ。

NINTENDO64のコントローラー

64のコントローラーは何と言っても3Dスティックだ。
これまで2Dが主体のゲームが多かった中でゲーム機の性能が格段に向上した。

もちろん、64以外でも3Dのゲームは多く存在したが、十字キーではその奥行き感覚を100%楽しむ事ができなかったのである。

これを64は可能にし、その不思議な形のコントローラーは64の証だった。
不思議な形をしているが、妙に手に馴染む不思議なコントローラーなのだ。

今でも、64のコントローラーの感触を忘れられない人も多い事だろう。あれが至高の形状だという意見も聞く。

Wiiのコントローラー

Wiiのコントローラーはリモコンだが、周辺機器の貢献も大きい。
Wii Fitやヌンチャクなどがそうだ。ハンドル型のコントローラーも登場した。

Wiiの場合、コントローラーの形状がや触り心地がウケたわけではなく、体全体を使ったプレイスタイルが衝撃的だった。

家庭用ゲーム機のコントローラーを、一つ上への空間へと運んだのだ。

Wii Uのコントローラー『Game Pad』の特徴

それではWii UのGame Padはどうだろうか。

タッチパネル

Game Padはタッチパネル式のコントローラーだ。これは任天堂が携帯ゲーム機として発売されたニンテンドーDSが元になっているのではないか、と言われている。

また、Game Padというネーミングから察するに、スマートデバイスの影響は大きい。

Wiiが発売された当時とWii Uが発売された今とで決定的に違うのは、コンシューマがスマートデバイスを手にしている事だ。

タッチパネルである事は、もはや革新的ではない。
かと言って不必要なわけでも受け入れられないわけでもなく、備わっていて当然の機能だったのだ。

スピーカー

Game Padにはスピーカーが内臓されており、ゲームの音楽が流れる。Game Padはコントローラーなので、基本的にはテレビから離して使用する事になるが、テレビから流れる音とGame Padから流れる音の両方のサウンドを楽しむ事ができるのだ。

流れるサウンドは全く同じではなくPANが振ってあるため、単純にスピーカーとしての機能も果たしている事となる。

Gama Padからの音が邪魔な場合は、音量を調節する事も可能だ。

Game Pad単体で楽しめるゲームも

Game Padが期待されていた部分というのは、半携帯ゲーム機としての役割だ。

据え置きゲーム機と携帯ゲーム機を比較した時に、携帯ゲーム機の方が利便性の面で優れているのは明らかだ。
TVを見ながら、ソファーで寝ころびながらプレイできる。

しかし、すべてのゲームソフトがGame Pad単体で遊べるわけではない。
ゲーム内容の部分的なプレイモードのみ、Game Pad単体プレイに対応しているケースも多い。

発売済みのゲームソフトの名前を挙げれば、注目されていたのは「ドラゴンクエストⅩ　目覚めし5つの種族」だ。
シリーズ初のオンラインゲームで、Wiiで発売された後Wii Uでも発売された。

オンラインゲームの特色として、通常のドラクエと比較してレベル上げに時間がかかる。
据え置きゲーム機での長時間でのプレイは、精神的にストレスが溜まるため、Wii UのGame Padが注目されていた。

このようにGame Pad単体で遊べる事に、利便性はあるように感じられる。

マイクでカラオケ

Game Padにはマイクが内臓されている。
ゲームソフトで言うと、『Nintendo×JOYSOUND Wii カラオケ U』だ。

あの任天堂とカラオケのジョイサウンドとのコラボコンテンツで、インターネットに接続する事により、10万曲以上の楽曲をカラオケで楽しむ事が出来る。

これはパッケージソフトではなく、時間に応じたチケットを購入して歌う事となる。
まさしく、カラオケボックスの料金制と同じだ。

Game Pad固有のプレイスタイル

任天堂ゲームソフト『スーパーマリオ 3Dワールド』ではGame Pad固有のプレイスタイルが提案されている。

マリオのステージは、消える壁や移動する地面などはお馴染みだが、Game Padをタッチする事によって、足場を出したり動かしたりしてステージを進めていく。

中には、タッチではなく息を吹きかける事によって、地面が移動するステージもある。
TVに映し出される画面だけではなく、Game Pad使用者はGame Padの画面にも注意を払う必要があるのだ。

これは、従来のゲームのプレイスタイルを大きく変革させたと言ってもいい。

だが、Game Padのこういった利用方法を任天堂がサードパーティに示していく必要性がある事は明白だ。

まとめ

Game Pad自体の性能については悪いとは思わない。
しかしながら、そのプレイスタイルを確立し切れていない事が問題である。

任天堂が今後どのようにしてWii Uを、Game Padを広めていくのか、岩田社長の手腕に注目だ。

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