なぜ『Marvel’s Spider-Man(スパイダーマン)』は売れたのか?
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概要
2018年10月、世界的に注目を集めているPlayStation 4専用タイトル『Marvel’s Spider-Man(スパイダーマン)』。その爆発的な人気からゲーム実況においても配信数が多いゲームで、そこから興味を持った人も少なくないだろう。
発売後3日間で世界累計330万本を販売し、PlayStation®のタイトルとしては史上最高記録を樹立するなど、まさしく破竹の勢いだ。
開発はインソムニアックゲームズ。
「ラチェット&クランクシリーズ」やXbox Oneの「Sunset Overdrive」など開発していた。
ではなぜこんなにも爆発的な勢いで売上を立てたのだろうか?
スパイダーマンはなぜ売れた?
要因①:知名度
昨今、スパイダーマンの版権を持つMarvel(マーベル・マーヴェル)はアジア圏での知名度向上に力を入れている。知名度向上のための宣伝は今に始まったことではないが、コミック・ホビー以外にも映画やドラマ、ゲーム開発にも力を入れており、映画のスパイダーマンやアイアンマンは見たという日本人も少なくない。
映画効果もあって、国内ではスパイダーマンが特に知名度が高い。
それぞれが独立した物語のヒーローが一斉に集う映画「アベンジャーズ」も人気が高く、最新作が発表されれば世界中で注目を集めている。
よく勘違いされやすいが、バットマンとスーパーマンはDCコミックスのヒーローであり、Marvelのヒーローでは無いということ。
一応、両社のヒーローがクロスオーバーしたコミックは登場しているが、あくまで別会社のヒーローである。
とまぁ、とにかくスパイダーマンの知名度は高いのである。
要因②:発売のタイミング
商品を売り込むには発売するタイミングも重要だ。実は2018年9月の新作タイトルで、所謂AAAクラスの世界的にも需要が見込める最新タイトルは「Marvel’s Spider-Man」と「FIFA 19」だけなのだ。
「Shadow of the Tomb Raider(シャドウ オブ ザ トゥームレイダー)」も同月に発売されたがスパイダーマンよりも発売日は1週間遅く、シリーズ最新作であるため、既に過去作をプレイ済みのユーザーにとっては些か新鮮さに欠けてしまう。
また、他のタイトルもDLCなどがまとめて収録されたベスト版やスポーツ・レースゲームばかりで、9月末に発売された「無双OROCHI3」もアジア圏での評価はあるものの、世界的に需要があるか?と言われると微妙なところだ。
同じく9月末に発売されたFIFA 19も非常に人気は高いが、スパイダーマンよりは発売日が遅い。
基本的に注目度の高い新作タイトルは10月~3月に集中しやすく、ユーザーが分散しやすい時期でもある。 そういった意味でも非常にベストなタイミングで本作が発売されたことも人気に起因していると考えられる。
要因③:オープンワールド
近年の新作タイトルで特に力が入れられている海外タイトルはオープンワールドが多い傾向にある。これは開発環境周りの技術が向上し、ハードやPCのスペックも向上したお陰でもある。
特にオープンワールドというのは、その作品の世界観を落とし込みやすく、主人公以外の存在の生活の営みが設定されているため没入感が強い。
本作のスパイダーマンはヒーローであるため、一般人の日常を守る活動をするという意味では一般人の存在は必要不可欠なのだ。
また、スパイダーマン自身の能力を利用したウェブ・スイングやウォールランによる高速移動を使った気持ちの良い移動を再現し、プレイヤーに体験させるという意味でもオープンワールドは相性が良い。
落下してもダメージが無く、高速移動中もスパイダーマンに焦点が合うようにしたりと気が散らないように工夫がされいる。
もちろんオープンワールドであるため、イベントも各所に豊富に用意されており、非常にボリューミーな内容となっている。
要因④:クオリティの高さ
全体的なクオリティの高さは特に言われており、街や人はもちろん、スパイダーマンのスーツもしっかりと再現されおり、繊維や素材のもつ質感の再現度も高い。ストーリーやイベント中の会話、ゲーム内アイテムなどの小ネタも豊富で、往年のマーベルファンをニヤリとさせるものが多く、本作はマーベルファンからの評価も高い。
スパイダーマンのスーツの種類も数が豊富で、コミックや映画など劇中に登場したものが揃っている。
ゲーム内ではその世界のスパイダーマンのSNSを見ることができ、ファンとのやり取りを確認できる。
ストーリーが進むに連れて、その内容も変化していく。
しかも、そのやり取りは妙にリアルで、そのアカウントが現実に存在するのではないか?という錯覚すらしてしまう。
要因⑤:SNSや動画配信による共有
本作の人気を支える要因の一つが、SNSや動画配信による共有。オープンワールドである本作では各所にスパイダーマンのコスプレをしたファンが存在する。
スパイダーマンによるセルフィー(自撮り)が撮影できるため、お気に入りの場所や時には戦闘中に撮影することもできる。
他にも、とあるビルの反射したガラスの中に世界貿易センタービルが存在しているのに、街には存在してないといったものもあり、それらを発見した時の喜びを簡単に共有できるシェア機能がPS4には備わっている。
今や誰もがゲーム配信や共有ができる時代になり、本作では”共有したい”と思わせる仕掛けが随所に散りばめられている。
一部のゲームタイトルではネタバレ防止のための配信機能をオフにする機能があったりと、今やゲームとSNSは切っても切れない関係に発展した。
まとめ
ゲームそのもののクオリティが高いほうが当然評価も高くなる。しかし販売戦略も非常に重要で、発売日の設定に各社は毎回苦悩している。
大作の発売日に重ならないように発売日を予想してズラしたはずが、結局重なってしまい、思うように売上が伸びなかったという話も多々ある。
そういった意味でも競争相手が少なかった本作は幸運なタイトルと言える。
DLCによる追加の売上も重要で、本作も追加ストーリーのDLCが配信される。
しかし、本編のボリュームが凄い本作は、SNSやゲーム配信を意識した演出や仕掛けが口コミ的に広がり、結果的に売上を伸ばした。
端的に言ってしまえば、コアなファンだけでなく多くのユーザーが遊びやすく、時代に合わせたゲーム内容や販売戦略がガッチリ噛み合った結果、爆発的に人気に繋がったのではないだろうか。
スパイダーマンの宿敵ヴェノム (Venom) が主役の映画も2018年11月2日に公開されるので、スパイダーマン熱はまだまだ冷めないことだろう。
リンク
Marvel’s Spider-Man 公式サイト映画「ヴェノム」公式サイト
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