年末年始の恒例行事「福袋」の豆知識
記事の詳細
概要
年末年始になると恒例の行事の一つに「福袋」がある。既に予約済みという人も、目当ての福袋を買い逃したという人もいるだろう。何が入っているのか分かる福袋も最早珍しくなく、その日のために貯金をしたという人も少なくない。
SNSやネット掲示板では連日激しい情報戦が繰り広げられ、何とかハズレを引かないように情報収集を行う人が毎年増えてきている。
ブランドものの衣類やバッグ、家電、家具、ホビーなど争奪戦だ。人によってはちょっとしたお菓子の詰め合わせ福袋を購入することもあるだろう。
ホビー関係などの福袋では、通販向けに福箱というものも登場している。
全国8店舗のApple Storeで販売される「Lucky Bag(ラッキーバッグ)」は毎年長蛇の列ができるほどの人気っぷりだ。
2015年1月2日の午前8時に発売されることが発表された時には、争奪戦を勝ち抜くために、既に装備を整えたというAppleユーザーも多かった。
今回はこの福袋のちょっとした歴史を紹介する。
福袋とは
福袋とは、その名の通り幸福、幸運といった「福」が入っている袋のことで、福の神「大黒天」が背負っている大きな袋のことでもある。現代の福袋の多くは中身の見えない袋に様々な商品を詰め込み、一部の袋には当りの高額商品が入っていることがある。
このちょっとした射幸性が人気のひとつなのだろう。
ただ、あまりにも内容が購入者の意にそぐわないものだと、”糞袋(くそぶくろ)”、”鬱袋(うつぶくろ)”などと言われ、店側でもそれをネタにした福袋も登場している。
元々は大丸松坂屋百貨店の前身である”大丸呉服店”が、江戸時代に端切れなどを袋詰めにして、“初売り”として販売したようだ。
他にも松屋の前身である鶴屋呉服店が明治40年頃に”福袋”として販売した記録がある。
海外での福袋
Apple Store 銀座店が、2004年の正月に福袋を販売した際には好評で、本国のアメリカ合衆国で旗艦店舗をオープンする際には、”lucky bag”という名前で販売されている。他にも海外では”mystery bag (ミステリーバッグ)”と呼ばれたり、台湾や香港の日本企業の店舗でも福袋が販売されているようだ。
まとめ
福袋の実態は在庫処理なのだが、購入しようかと迷っていたものや欲しかったものが入っているとやはり嬉しいものだ。開けて中身を確認するまでは楽しいが、後々後悔することも多く、1万円を超える福袋に手を出すのにはちょっとした勇気が必要だ。
最近は新春セール的な意味合いでも使われることがあり、家具や家電を購入する良いタイミングだ。
とはいえ、福袋を取り扱う店舗も徐々に少なくなってきており、まだまだ不況の影響を感じてしまう。
しかし、年末に限らず、大型連休に合わせて福袋を販売するケースもあり、ハズレの確立が高いと分かっていても気になってしまうのが日本人の悲しい性だ。
さて、今年はどうしようか…。